英語のアンテナ

英語過敏な私のお話し

Sushi Isn’t About Fish — It Is Vinegared Rice

On the internet, there is a lot of information about Sushi that isn’t necessarily correct.  For example, Sashimi is not Sushi.  So, here is a map of the different types of Sushi.

 

a Picture of Types of Sushi

 

The name Sushi comes from the word su meshi.  Su means vinegar, and meshi means rice.  Su meshi therefore means “vinegared rice.”  This means Sushi doesn’t necessarily have to contain fish — there are kinds made with cucumber, pickled Daikon radish, or egg as well.

 

The origin of Sushi can be traced back to Southeast Asia, where it evolved into Nare Zushi in the Kansai region of Japan.  Nare Zushi is made by pressing steamed rice into a box and topping it with slices of mackerel or other white fish.  After being left to ferment for a while, the rice becomes sour, giving the dish its distinctive flavor.  Later, this type of Sushi was introduced to Edo (known today as Tokyo).

 

People in Edo were impatient, so instead of waiting for the rice to ferment, they mixed it with vinegar.  Sushi was sold as fast food at stalls in front of fish markets, made with freshly caught fish from Edo Bay.  This style became known as Edo-mae Sushi.

 

Back then, there were no refrigerators, and without them, the fatty part of tuna didn’t last long — so it was often thrown away.  Today, that same fatty tuna (Otoro) is considered a delicacy and is highly prized.

A Picture of Sushi

Sushi in Japan

Salmon was not originally used for Sushi.  Salmon in Japan was mainly caught in rivers, and freshwater fish often carry parasites, so it had to be cooked.  In the mid-1980s, Norwegian salespeople introduced farm-raised, parasite-free salmon to Japan and used it to make Sushi.  As a result, sales of Norwegian salmon increased dramatically.  Today, salmon Sushi is one of the most popular types in Japan.

 

A Japanese Sushi chef who introduced Sushi to the United States thought that Nori (seaweed) wouldn’t appeal to American customers.  So he came up with the idea of rolling the Nori inside the rice, hiding it from view (the inside-out roll).  The Sushi rolls wrapped with salmon, avocado, or fish roe became popular.  These are considered “American-style sushi,” though they are now also served at some conveyor-belt restaurants (Kaiten Zushi) in Japan.

 

Onigiri (rice balls) and Sashimi are not Sushi.  Onigiri is made with plain rice, not vinegared rice, and Sashimi doesn’t include rice at all.

 

 

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「お好み焼き」を英語で表すときの便利な単語

あるラーメン屋さんに英語メニューがあり Butabaranegiramen のように書いてありました。日本語のメニューと比べるとこれは「豚バラネギラーメン」のことでした。これでは読む方も大変なので、意味の区切りに空白をいれて、Butabara Negi Ramen という表記にしたほうがいいんじゃないかなとメニューを見ながら考えていました。

 

訪日外国人に人気の食べ物にお好み焼きがあります。でも、どうも「お好み焼き」は覚えづらい名前のようです。Okonomiyaki とローマ字で書くと確かに長いですね。そこで、これも意味の切れるところでスペースを入れてみてはどうでしょう。 Okonomi Yaki にすれば少し覚えやすくなるのではないでしょうか。

鉄板の上のお好み焼き・広島風

Okonomiyaki

スペースの代わりに意味の区切れにハイフンを使っている料理名も見ることがあります。外国語をアルファベットで表現するときにハイフンを使うというルールがあるようですが、日本の料理の名前であれば英語話者には外国語なのは分かっているのでハイフンも無くて良いように思います。話はそれますが、昔アメリカ大陸の東海岸の土地が、新たなヨークとして「ニューヨーク」と命名された際に、New-York ではなく New York になりました。それに倣って、お好み焼きつながりで、例えば新大阪の英語表記は Shin-Osaka ではなく Shin Osaka でいいと思うのですがどうでしょう。

屋台の鉄板で焼かれるお好み焼き

Okonomi Yaki

この Okonomi Yaki ですが、英語で説明する際には、savoury《英》/ savory《米》(セイヴォリー) という単語を使うと便利です。savory は「塩味の付いた」という意味でスイートとは反対の言葉として使えます。例えば、ポップコーンならキャラメル味が sweet で、一般的な塩味やバター醤油味が savory で説明できます。粉を溶いて鉄板で焼く pancake (パンケーキ) は甘いデザートが思い起こされますが、A savory pancake とすれば、甘い食べ物でははないことが分かってもらえ、お好み焼きの説明になります。

ところで、書籍 『英語でカツ丼ってなんていう?』の中に、あまり目立ちませんが、食べ物の英語名紹介の各カテゴリーの終わりに「私の周りの外国人の人気メニューベスト3」というコーナーがあります。英語圏出身の人たちにアンケート (questionnaire) に答えてもらい集計したものです。その中の「屋台とカジュアルフード編」では、1位が「お好み焼き・関西風」で、2位が「お好み焼き・広島風」という結果が出ました。お好み焼きが強いですね。 なお、この2つの「お好み焼き」を1つの料理と捉えたときに、3位の「おでん」の次には「ソース焼きそば」「鮭のおにぎり」「ツナのおにぎり」の3つが同じ票数になり続きました。おにぎりも最近は人気が出て来ているようですね。

本のページの切り抜き

人気メニューベスト3 (屋台とカジュアルフード編)

この人気投票は集計したサンプル数が少ないので、気休めにしかならないかも知れませんが、中には意外な集計結果もあったりしました。豚骨ラーメンは外国人が行列を作っているのを見たりしますが、「人気メニューベスト3 (ラーメン編)」の1位は豚骨ラーメンではありませんでした。本を覗いてみてください。他にこの本では以下のベスト3 を掲載しています。

  • 居酒屋編
  • 串料理編
  • そば・うどん編
  • 丼編
  • 鍋・釜飯・ご飯編
  • 寿司編
  • 天ぷら編
  • 日本料理編
  • 洋食編
  • 中華料理編
  • 焼肉編
  • 和菓子・デザート編

 

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英語の cutlet では物足りない とんかつの自慢の特徴の英訳

とんかつは訪日外国人にも人気の洋食ですが、日本のメニューなどを英語にするときには「カツ」の語源となった cutlet (カトレット) がよく使われます。pork cutlet で間違いではないですが、cutlet で想像される海外の料理は、日本のカツの一番の特徴が表されていません。日本のカツはバリバリとしたパン粉の食感が特徴です。

オーストリアで食べたシュニッツェルの写真

シュニッツェルのサンドイッチ

以前、旅行でドイツを訪れたときに Schnitzel (シュニッツェル) に遭遇しました。「まさにトンカツじゃないか」と思い、トンカツのルーツを見つけた思いでした。(これはオーストリア料理で本当にトンカツのルーツかどうかは分かりませんが) しかしカツとの大きな違いがあります。Schnitzel や欧米のフライに使われているパン粉は日本より細かいのです。また多くは鍋に油を満たして揚げるのではなく、半分浸かるような揚げ焼きで作られています。

 

オーストラリア (墺太利ではなく豪州の方) では Schnitzel は cutlet と同義語のように使われて、違いがないようです。そんな cutlet は国によって中身が違い、日本のように肉だけではなく、魚や芋なども cutlet です。

日本のレストランのとんかつ

とんかつ

特徴ある日本のカツの人気からか、海外の食料品店では日本のパン粉を Panko bread crumbs という名で、日本の『洋食』を再現する食材として販売しているところもあるようです。パン粉は英語で bread crumbs (ブレッド・クロムス) で、また breadcrumb や単に bread で「パン粉をまぶす」という動詞にもなります。この bread を使って日本のカツのバリバリ感を強調して、とんかつは Deep-fried breaded pork とすればパン粉の存在をアピールできます。イギリスで人気の日本のカツカレーや、観光客に人気のカツ丼を説明するときにも使って、カツの特徴を伝えてください。

 

他のフライ料理の英語名も書籍『英語でカツ丼ってなんていう?』の中で取り上げています。ご興味があればぜひ本を手に取ってみてください。

 

 

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お題「旅行先で食べた美味しかったお店や料理は?」

お月見とはならない英語の中の欧米の玉子

中秋の名月 (十五夜) が近づくと、月見バーガーやピザ、丼など、「月見〜 」という名前の目玉焼きが乗った季節限定メニューを街でよく目にするようになります。月見商戦というそうです。

月見バーガーのポスター

ファストフード店の前の月見バーガーのポスター

店の前の月見メニューのポスター

月見メニューいろいろ

 

古くから「月見そば」があるように、日本では卵の黄色くて丸い黄身を月に見立てて食事を楽しんでいます。 ところで月の反対として太陽があります。日本の子供の多くは絵を描く時に太陽を赤く塗るそうです。この赤い太陽は世界では少数派のようで、欧米では黄色で表わすのが主流のようです。

太陽を赤く描いた絵

そのせいか、アメリカ英語では目玉焼きのことを Sunny Side Up (サニーサイド・アップ) と言います。そう「日の当たる側が上」ということで黄色い黄身は太陽です。そんなことで、月見そばを Moon Viewing Noodles と直訳しても黄色い玉子を想像してもらえないでしょう。かえって、Sunny Noodles の方が良いかも知れません。なお、イギリスとアイルランドでは目玉焼きは単に fried egg です。

 

玉子料理は『英語でカツ丼ってなんていう?』の中で多く取り上げています。ぜひ本屋さんで手に取ってみてください。

 

 

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本の出版(11) 表紙デザイン完成! 実用書として英語と料理を前面へ

本のタイトル『 英語でカツ丼ってなんていう? 』 も決まり、最後の仕上げのカバーデザインです。

 

本のタイトルと内容をふまえ、デザイナーさんにいくつかのデザイン案を出していただきました。表紙は本屋さんやオンラインショップで最初に人の目に触れ、第一印象を決める本の大事な要素です。プレッシャーがあると同時に楽しい作業です。

 

色や文字の大きさなどいろいろと意見が交わされました。こちらはデザイン案の一部です。

最初のカバーデザインのアイデア

カバーデザイン案

タイトルが『 英語でカツ丼 … 』なのでカツ丼がメインのイラストになっています。そのイラストも大きさが変わると印象が違います。カラーも全体の印象を決めるとても大きな要素なので悩みます。

カバーデザインの最終候補

カバーデザイン Short List

私は紅赤のバックグラウンドもインパクトがあって良いかなと思いました。最終的に編集担当者さんの意見を取り入れ山吹色のカバーが選ばれました。これをもって出版社の他の関係者による社内チェックが入ります。

社内チェックでは、カバーが「料理の本のように見える」とか「英語の本と分かるよう英語の文字を入れた方がいい」という意見があったようです。そこで、英語の文字を入れたり、実用書としての特徴を示す文言を入れて、一目で本の内容をアピール出来るように工夫が施されました。そして完成したカバーデザインがこちらです。いかがでしょう。

 

カバーデザインの最終版/伝わる英語メニューで売上アップ『英語でカツ丼ってなんていう?』

『英語でカツ丼ってなんていう?』

これで校了となり、あとは印刷のため入稿です。これで一旦、私の作業は終了し、完成を待ちます。発売日は 2025年10月10日の金曜日になりました。

 

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お題「「やりがい」を感じる瞬間」

本の出版(10) タイトル決定!『英語でカツ丼ってなんていう?』

文章も固まり、本のデザインや挿絵も出来上がって、いよいよ本のタイトルの決定の日です。本のタイトルは出版社が決めます。私の意見も考慮していただけますが、商業出版なので最終決定は出版社が行います。

 

どんなタイトルになるかドキドキです。そして知らせは突然やって来ました。

 

英語でカツ丼ってなんていう? です!

 

そうです、このブログの URL の eigodekatsudon の部分が本のタイトルと同じです。じつはこのブログを始めた時から本の出版の構想があり、仮タイトルとして『英語でカツ丼ってなんていう』と設定していました。今回、出版社さんに最終的に本のタイトルとして採用いただき「よかった〜!」というところです。

 

他にタイトル候補としてどんなものがあったのか聞いてみました。『英語でカツ丼...』の他にキャッチーなものとして『ざんねんな英語メニュー  正しくは…?』。説明的なものとして『外国人に伝わる!英語メニューの作り方』。親しみやすいものとして『これなら伝わる!やさしい英語メニュー』などなど、いろいろあったそうです。そして会議の結果、私が提案した『英語でカツ丼ってなんていう?』が採用されました。

 

もうすぐ詳細をお伝えできます。待っていてください。

 

www.youtube.com

 

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本の出版(9) 編集者皆さんのヘルプで再校まで来ました

再校の書類が届きました。初校でお願いした修正がうまく反映されているか緊張します。ここまで来ると大きな変更は少なくなってきます。この再校で誤字脱字や表記ミスがあれば修正します。

 

校正担当者には表記のゆらぎもチェックしていただきました。例えば帆立がホタテになっていたりするところを、一方に統一します。本の中では「帆立」にしました。魚の名前はカタカナや、ひらがな、漢字と、多く揺らぎがあることが分かりました。また、タマゴは一般に、生は「卵」で、加熱されると「玉子」と表記されることが多いということなので、出来るだけそのようにしました。

Pages with corrections

Proofreading

日本語の本なので校正チェックの対象にはなっていませんが、英語の揺らぎも修正しました。例えば茄子はイギリス英語では aubergine (オウバジーン) ですが、アメリカ英語では eggplant (エッグプラント) です。原稿では元々、ほとんどを aubergine で記述していたのですが、アメリカからの訪日外国人が多いので eggplant に変えた方がいいという意見がありました。頭の中ではイギリス英語優先で考え aubergine にしていて、「アイルランドもイギリス英語だし」と自分に言い聞かせて納得していました。しかし最後にオーストラリア人に eggplant だと言われて 2 対 2に、しかも訪日客数では 米国 + 豪州 には勝てないので、結局、訳を全て eggplant に書き換えました。

A picture of a eggplant dish

aubergine / eggplant

出版社の他の方々にも見てもらうので、一人でチェックするよりも安心です。いよいよ校了に近づいてきました。

 

 

 

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本の出版(5) 「食べ物」についての英語の本です

変更を加えてきた原稿が完成しました。色々と内容を削ったりもしましたが、スッキリして納得のゆくものになりました。本の中身は英語と食べ物に関するものになります。このブログでもいくつか食べ物に関連したお話を取り上げましたが、訪問者のアクセス数が多い人気のカテゴリーです。

 

図書館の棚


大きく以前とは変わったこの新バージョンの原稿を、さっそくデザイナーさんにお渡ししました。デザイナーさんには、この原稿の文章を本として読みやすく綺麗にページの上にレイアウトして、本全体をデザインしていただきます。

本のページとなるテンプレート

Layout

まだ内容に細かい修正はあると思いますが、順調に行けば秋には完成となります。

 

食べ物ということで、余談ですが、food は食べ物を表す一般的な単語で、food science (食品化学) や food poisoning (食中毒) などと使われます。food が盛り付けられると dish (料理) になり、それがいくつも並ぶと meal (食事) になるといった感じです。

 

 

 

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Bento って英語で通じるの? コンビニ弁当の英語表記について

 今回は少々趣向を変えて、ある日本語の使い方について書いてみたいと思います。

 暖かくなると、お花見やピクニックで外でお弁当を食べる機会があり、青空の下でのお弁当は美味しいですね。ところで、コンビニエンス・ストアに並ぶパッケージ化された食事に「必ず温めて下さい」と注意書きが記載さたものがありました。併記された英語に 〜Bento と書かれています。これ、弁当と呼ぶのはおかしくないかと思ってます。

コンビニエンス・ストアで売られているお弁当

必ず温めてください

 お弁当の関連単語を列挙すると、幕の内弁当、駅弁、お花見弁当、キャラ弁、早弁、愛妻弁当、仕出し弁当、手弁当、折弁当、日の丸弁当、といった具合。どれも家から持って出て食べたり、出先で買って食べたりするのが「弁当」のようです。すると、必ず温めなければならないものは弁当でしょうか。たかが弁当にヒステリックになっているようですが、外装に Bento とアルファベットで書いてあることが気になったのです。

駅弁売り場と焼売弁当

駅弁

 弁当を国語辞典で調べると

大辞林: 

① 容器に入れて携え、外出先で食べる食べ物。② 外出先や会議の席などで、取り寄せて食べる食事。
広辞苑: 

① 外出先で食事するため、器物に入れて携える食品。また、その器物。② 転じて、外出先や会合などでとる食事。

先に見かけたコンビニ弁当は、電子レンジでも置いてあるグランピングならともかく (笑)、ハイキングやキャンプでは食べられないですね (キャンプはほとんど自炊ですけれど) 。

 

 電子レンジは英語では a microwave oven (マイクロウェイヴ・オーヴン) と呼ばれ、オーブンの一つです。今は肉や野菜を電子レンジで調理する料理もあります。電子レンジの利用も調理の内なので、調理をしなければならないものを弁当と呼ぶのはおかしくありませんか。

 

 bento のことは、どこかの公共放送が「今や世界で人気の日本文化だ」と言わんばかりに話していますが、外国人に聞いてみると、bento のことは日本の料理を出す店で見かけたり、日本文化の話しをしていて出てくることはあっても、普段使いで bento が会話に出てくることは無いということです。弁当は boxed meals などと訳されたりすることがあります。コンビニエンス・ストアで料理名を英語で書くからには外国人を意識しているのだと思います。そもそも、そんなに浸透しているわけでもない bento という単語を、コンビニ弁当に英語で書く意味があるのか疑問です。bento とは「温めても良いけれど、そのままでも食べられる」ものを呼ぶべきだと思います。

様々なお弁当

お弁当売り場

 電子レンジで温めなければならない食事は、ready-to-eat meals や、refrigerated dinner などとも言えるかも知れません。他にも、温めないとならない prepackaged meal には、アメリカの TV dinner や イギリスの ready meal、他にも microwave meal や frozen meal などがあります。日本語でなら何と言おうと構いませんが、英語で書くなら、標準的な「弁当」を理解していない外国人にも混乱が無いよう、定義をはっきりさせておいた方が良いと思います。温め専用の食事に Bento と書くと、今後、日本文化の紹介の際に誤解を招くのではないでしょうか。海外での bento を説明する記述には Well-balanced packed meal (栄養バランスの取れた包装済みの食事) と説明されていたりしています。この良いイメージを壊したくはありませんよね。

 

 

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『英語でカツ丼ってなんていう?』 10月10日発売

英語と食べ物についての本が出ます。

英語でカツ丼ってなんていう?

2025年10月10日発売!

書籍『英語でカツ丼ってなんていう?』のカバー画像

『英語でカツ丼ってなんていう?』
伝わるメニュー名が売り上げを変える!?そのメニュー、本当に伝わっていますか?
英語をそのまま直訳すると、ハンバーグはドイツの都市名、モーニングサービスは “朝の礼拝” になってしまうことも
でも正しく伝えれば、売上アップ!
クスッと笑える誤訳例とあわせて、 外国人のお客様が「これをください!」と言いたくなる 英語メニュー約 1,200 種類がこの一冊に。

 

料理名はとっさに出てこず、戸惑うこともあります。

  • フライドポテトは、アメリカ英語ではフレンチフライ。イギリス英語ではチップス。ではオーストラリア英語では?
  • 春巻きは英語でスプリング・ロールと呼ばれます。では生春巻きは?
  • チャーハンの大盛り無料サービスを英語で簡単に説明すると?

本書は飲食店の方はもちろん、日本食の魅力を世界に届けたいすべての方に役立つ実践的な内容がつまっています。

 

  目次
第 1 章  英語圏の人がびっくりする! ありがち英訳ミス集【メニュー編】
1.ホットサンド、2.ハンバーグ、3.フライドポテト、
4.生、5.玉子焼き、6.焼き魚、7.アイス、8.親子丼、9.フレッシュサラダ
第 2 章  メニュー以外も危ない! 英語表現の落とし穴
1.バイキング、2.飲み放題、3.モーニングサービス、
4.お通し、5.セット、6.ベジタリアン、7.ソウルフード、8.スナック、9.タッチ決済
第 3 章  今すぐ使える! 正しいメニュー英訳リスト
居酒屋料理、串料理、屋台とカジュアルフード、
そば・うどん、丼、鍋・釜飯・ご飯、
寿司、天ぷら、日本料理、郷土料理・名物料理、
洋食、中華料理、ラーメン、焼肉、
和菓子・デザート、飲み物-アルコール、
飲み物-ソフトドリンク・茶・コーヒー、
料理名以外の項目、修飾語やオノマトペ、食材プチ英語表現集
第 4 章  売れるメニューはここが違う!
売上 UP につながる理由、見やすいメニュー、お店の小さな工夫、英語ミスと使える英語表現、
巻 末 付 録   食材まるわかり! 英語ミニ辞典
肉の部位、魚の種類、野菜と果物、おでんの具・練り物、米類と穀物

 

接客の英会話の本は多くありますが、料理を説明するのは会話とは別の苦労があります。
そんな時、この本の表現を使えば簡単に説明ができます。
日本でお馴染みの魚や野菜の英語名も確認できて便利です。

コラムでは英語と食にまつわるちょっとしたお話も紹介しています。

カラーページの例

街で見つけた面白い英語をカラーで解説

 

英語の料理名のページ

ジャンルごとに料理を英語で説明 飲み物や和菓子なども網羅

 

食材名の英訳ページの例

大盛や定食などのメニュー項目や、よく使う食材名も英語に

 

英語でカツ丼ってなんていう? 店頭宣伝用POP

英語でカツ丼は!? 日本食をどう表現する?

 

 

出版社

みらいパブリッシング
『英語でカツ丼ってなんていう?』紹介ページ

 

『英語でカツ丼ってなんていう?』制作の過程をブログでも紹介。

 

youtu.be

 

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メロンパンはメロン入り? 日本の甘いパンは珍しい

お店で菓子パンを見ていると、メロンパンに英語で melon bread と書かれていました。それを見て思い出したのですが、2023年に大手飲料メーカーがメロン果汁が 2% のドリンクをメロン・ジュースとして販売して景品表示法違反となりました。英語でも juice は 100% 果汁のこと指します。でも法律は別として、日本では炭酸飲料を含め甘い飲み物はまとめてジュースと呼びますね。

melon bread & melon bun

メロンパンはメロンのような形をしている昔から親しまれているパンということで、日本人は誰もメロン果肉が入っているとは思いません。でも外国人も目にするパッケージに、説明なしに英語で melon bread と書くことは景品表示法などの問題は無いのでしょうか (笑)。

 

melonpan package

melonpan

メーカーも英語表記にはあまり注意を払っていないようですが、外国人には英語表記は大きな情報源です。 melon bread はメロンが入っていると思うかもしれません。関西のサンライズなら問題ないですね。ご存知のように pan は英語ではなくポルトガル語由来 (pão) です。メロンパンをそのまま全て訳す必要はないので、この食べ物の固有名詞として、 Melonpan の方がまだ誤解がないかも知れません。 英語で書くなら melon-shaped sweet bread とか、メロンの形のことは忘れて、 cookie-crusted bread といった表記が妥当なのではと思います。なお、菓子パンや、食パン、惣菜パン、という分類は日本独自の考え方なので、特に決まった英訳はありません。

melonpan at a bakery

Melonpan at a bakery

 

パンを発酵させるときに砂糖を入れますが、パンの本場のヨーロッパ人からすると日本のパンは甘いと言う人がいます。菓子パンに限らず食パンも含めた全般のことです。以前、アイルランドで、アメリカのチェーン店の Subway のパンが、砂糖の含有量が多いということでパンと認められないという話がありました。これは、パンには主食として付加価値税がかからないところ、あのチェーン店の roll (ロール) は砂糖の比率が多いのでその対象とならないという裁判所の判決でした。


アメリカはその点、甘いパンにあまりこだわりが無いのかも知れません。アメリカには PB&J という子供が好きなピーナッツバターとジャムを挟んだ甘いサンドイッチがあります。PB&J は peanut butter and jelly sandwich の略です。なお、jelly はアメリカ英語ではジャムの意味で使われます。

 


そもそも日本ではパンはアンパンのような菓子パンが先に普及したようで、パンが甘いことに抵抗はありません。日本ではフルーツとクリームが挟まれた甘いサンドイッチがありますが、けっこう外国人には驚かれます。フルーツのサンドイッチで驚かされている外国人にはメロンが入っているパンだといっても信じてしまうかもしれません。

fruit sandwiches

fruit sandwiches

他のパンやお菓子の英語訳も書籍『英語でカツ丼ってなんていう?』の中で取り上げています。ご興味があればぜひ本を手に取ってみてください。

 

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グルメは料理ではなく人です。英語を誤った美食家

日本では「グルメ」という言葉をいろんなところで耳にします。でもこのグルメは使い方が少々おかしいですね。グルメの元となった gourmet (グルメイ、ゴーメイ) は、元はフランス語で、英語にもなっています。日本では「ご当地グルメ」や「絶品グルメ」、「抽選でグルメが当たる」といった使い方をよく聞きます。しかし英語の gourmet には「料理」という意味はありません。

 

オックスフォード英英辞典には

a person who knows a lot about good food and wines and who enjoys choosing, eating and drinking them

つまり人のことです。グルメは名詞として使われると「美食家」や「食通」という、美味しい食事を楽しむ人を意味します。抽選で美食家が当たって家に来られても、狭い家には泊めてあげられないし、美食家なので食費もかかりそうで困ります。(笑)

 

グルメが当たる!

英語では、gourmet は美食家という名詞としての使い方よりも、何か単語を後に伴って「グルメの〜」と使う形容詞として使われることの方が一般的のようです。例えば gourmet shop や gourmet chef という使い方です。抽選で当たる料理なら gourmet meal と言ったりすれば、豪華で美味しい食事といった意味になります。

 

gourmet:
 (名詞)  美食家、食通
 (形容詞)  美食な、グルメ好みの

food

 

なお日本語の国語辞典には、グルメの意味は本来の「食通、美食家」とだけあります。「ご当地グルメ」などはマスメディアによる誤用でしょうか。前回のソウルフードと同様に使い方を間違った言葉ですね。

 

グルメの話は他の記事も合わせて書籍『英語でカツ丼ってなんていう?』の中でも取り上げています。ご興味があればぜひ本を手に取ってみてください。

 

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