英語のアンテナ

英語過敏な私のお話し

いちごミルクの美味しい味ハック

 いちごが旬ですね。いちごは私の中では果物の中でベストスリーに入る好きな果物ですが、手軽に飲めるいちごのジュースってないですね。このジュースですが、英語の juice という単語は果汁が 100% のものを意味します。日本でもパッケージに「ジュース」と記載する上ではそういう規定はあるとのことですが、口語では果汁 10%のドリンクも、さらには炭酸飲料もジュースと呼ばれることがあります。例えば 100% 未満のオレンジ果汁入り飲料は、英語では orange-flavored drink になります。

いちごミルクとレモンジュース

いちごミルク

 100%となると、高価ないちごでは juice は作れないですよね。よく目にするいちごミルクはジュースじゃないし、オレンジジュースやりんごジュースのように、果物そのものの味がするジュースがいいのですが、無いとなると飲んでみたくなります。ところで、いちごはみかんの倍のビタミンCが含まれているそうです。それならビタミンCを増やしてみようということで、市販のいちごミルクを用意して、そこに料理などに使うレモンジュースを入れてみました。すると、これは意外、いちごの味がします。ミルクの味の中に、酸味のあるいちごの味が感じられるようになりました。いちごジュースの代わりにはならないけれど、いちごの味を思い出しながら手軽に楽しむには試す価値ありです。

 

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どーするオーバードーズの発音

 オーバードーズが若者の間で問題となっているというニュースを見て、発音が気になりました。overdose はカタカナに置き換えるならオーバードーで、最後の発音は濁りません (濁るというのも英語に似合わない表現ですが)。この overdose という単語は、例えば、アメリカで有名人が drug overdose で救急搬送されたとか、海外のニュースで耳にすることがあります。この単語を使っているところで「ドーズ」という発音は聞いたことがありません。dose は一回の服用量ですが、一般的な服用量という意味で使われる dosage の近い発音はドーッジで、ドーッジとは言わないですね。話がそれますが、報道の news が「ニューズ」ではなく「ニュース」となって定着してしまったのと反対ですね。

変な発音の過剰摂取

 この日本のニュースの中ではアナウンサーが「『ドーズ』は英語で服用量という意味で、… 」と丁寧に説明していましたが、そこまで調べたなら発音記号もチェックしておけばいいのにと思うばかりでした。辞書の発音記号は [ doʊs ] で [ s ] です。日本の報道番組ではどの局もオーバードーと言っています。「過剰摂取」といった日本語ではなく英語の単語を使うと決めたなら、できるだけ正確に使うようにした方がよいと思います。こんなところから日本の英語がガラパゴス化して行くんでしょうね。


 ドーズという発音に近いものに doze があります。これは「うたた寝をする」という意味で、発音記号は [ doʊz ] です。 “overdoze” なら寝坊くらいで問題にならなくて良いですね。

 

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ホワイトデーは時代遅れ !?

 デパートやケーキ屋さんではバレンタインのチョコレートを宣伝するディスプレイが目立ち始めました。バレンタインには、チョコレートの年間売上げの10数パーセントほどが売れるということなのでお店が力を入れるのも納得です。日本では女性から男性にチョコレートをあげる日という独自のイベントです。欧米の Valentaine’s Day では男女に関わらず、愛するパートナーに花束やプレゼントを渡したり、おしゃれなお店でディナーを食べたり、パートナーと一緒に過ごすロマンチックな日です。日本も海外のように男女共に消費をして楽しめば、経済効果も単純計算で倍になりますよね。

バレンタインと花

Valentaine’s Day

 日本にはバレンタインのお返しを男性から女性にする日としてホワイトデーというものがあります。男性がキャンディーをあげるという、菓子業界が次に考え出したのがホワイトデーに多くの人がまんまと引っかかってしまいました。でも昨今、LGBTQ+ など多様性への理解が少しずつ広まる中、特定のジェンダーにこだわるイベントって時代遅れのような感じがします。

 

 ところでこの White というネーミングはどうしてなんでしょうね。純潔というイメージや、マシュマロの白から取ったという説があるそうです。なぜ White という名前なのか意味合いも希薄ですが、キャンセル・カルチャー* には感心できないところもあるので、提案です。毎月14日を特定の LGBTQ+ のアイデンティティの人のセレブレーションにして、お菓子をあげる日に定めたらどうでしょう。いろんなバリエーションが考えられると思います。それぞれの月をホワイトデーにならって、4月からはブルーデーやイエローデー といった色の名前にします。そしてそれを一年続けるとレインボーカラーになるという段取りです。


( * Cancel Culture: SNS などで過去の個人や団体の欠陥を集中的に容赦なく批判し、時にはその存在価値までも抹消してしまう風潮)

 

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日本語で使うリベンジは和製英語

 ショッピングに行って目的のものが見つからなかったと言うと、友人は「来週末にリベンジだね」と言いました。日本では、前回うまく行かなかったことを再度チャレンジすることをリベンジと呼んでいますが、この使い方に違和感があります。英語の revenge は苦痛を与えられたことに対して復讐をするという、恨みの積もったとてもダークな言葉で、軽々しく「もう一回がんばろう」などという使い方には不釣り合いな単語です。日本語の理解できる英語ネイティブ・スピーカーにも変だと指摘を受けたことがあります。

 

 さらに、テレビのニュースの中で「リベンジ消費」と、ニュースキャスターが真面目な顔でニュース原稿を読んでいました。コロナ禍の反動で我慢していた消費を一気に爆発させるというようなことを意味して使っていましたが、復讐消費とは物騒な買い物です。日本人が変な英語をしゃべるのは、一つにはマスメディアの責任もありますね。

リベンジ消費

 映画スターウォーズのオリジナル3部作の最後の作品に「ジェダイの帰還」があります。制作段階で Revenge of Jedi という名前が候補になり制作が進みましたが、高潔なジェダイは復讐はしないということで Return of Jedi が最終的にタイトルに決まったそうです。その後に作られた新3部作では Revenge of the Sith (邦題: シスの復讐) という作品があります。シスは邪悪だから Revenge という言葉が似合っているということでしょう。

 

 似たような単語に avenge があります。revenge も avenge どちらも日本語訳は「復讐をする」という意味になります。revenge は名詞で使われることが多く、avenge は動詞のみの単語です。avenge はもう少し正義のための仕返しに使われるようで、悪い事をした悪を成敗するようなイメージのようです。そのためヒーローの戦いなどにも使えて、マーベルの正義の味方が集まった Avengers というグループは、復讐ではなく正義の戦いをしているのです。

 

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ブロッコリーのイチ推しの食べ方

 ブロッコリーが「指定野菜」になって、大根やキュウリなどの他の野菜と同様に保護されるというニュースがありました。ちなみにブロッコリーは小房に分けて食べますが、このブロッコリーやカリフラワーの小房には英語の名前があって、 floret と呼ばれます。ブロッコリーはつぼみを食べているのですよね。そこで flor- は flower から、-et は小さいを意味して floret です。Grilled Cauliflower Florets などと英語のレシピに出てきます。

 ブロッコリーはキャベツやニンジンのように、私はそんなにしょっちゅう食べないなと思いつつ、大好きな食べ方があります。ブロッコリーの素揚げです。あるお店で食べてすっかりファンになりました。つぼみ部分がカリカリになったものがお気に入りです。ほんとにシンプルなのですが、塩をちょっと振って食べると最高です。ポテトチップスなどのスナック菓子をパリパリ食べるような感覚で食べられ、でも野菜なので罪悪感があまり生じないという都合の良い食べ物です。お勧めです。

ブロッコリー

<指定野菜の先輩たち (農林水産省のリストより) >
キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタス

 

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キッチンカーはカーじゃない

 キッチンカーが人気となり数が2.5倍に増えましたとニュースで言っていました。ところでこの「キッチンカー」は和製英語ですね。英語では food truck (フード・トラック《米》) や food van (フード・ヴァン《英》) になります。キッチンカーという名前は考えてみると「使う側本位の呼び名だなぁ」と思います。食べ物を購入するお客からすれば、車の中にキッチンがあろうがなかろうが関係ないですね。この法則から呼び名を付けると、アイスクリームを売る車はフリーザーカーで、コーヒーを売る車はブリューイングカー、パンを売るのはオーブンカーといったものにならないと一貫性がありません。

キッチンカー

キッチンカー

 

 日本語ではタイヤが付いているものはみな「カー」になってしまいます。そもそも、英語の car は乗客を乗せるエンジンの付いた車のことで、「乗用車」となるものです。そしてその他の車は、形や目的により wagon や truck といった呼び名に変わります。乗物という大きなカテゴリーとしては、カーではなくvehicle (ヴィエクル) が使われます。電気自動車は EV (electric vehicle) といって vehicle を使ってますね。エコカーは乗用車だけとは限らないせいか、英語では Green vehicle です。なお、乗用車以外で car になるのは鉄道の車両です。車両が carriage、coach《英》、car《米》になり、dump car は砂利や石炭などを積載して下ろす時に荷台を横にを倒す車両に使われます。日本語のダンプカーは dump truck《米》、dumper truck《英》となって、トラックです。


 キャンピングカーは英語では motorhome や、recreational vehicle、trailer house《米》、camper van、caravan《英》などになります。ベビーカーにも「カー」がついていますが、 英語の方は、椅子型は stroller《米》、pushchair、buggy《英》、箱型は baby carriage、buggy《米》、pram《英》です。面白いのは日本語のリアカーです。car の使い方は変ですが、リアという単語は知っていたんだと。それならなぜ rear-view mirror がバックミラーになっちゃったのでしょうね。リヤカーは英語では cart で、もっと詳しく説明したければ two-wheeled cart といった感じです。


 和製英語の多いクルマ関連の名前ですが逆もあります。英語では人や自転車で引っ張るお客さんを運ぶ乗り物を rickshaw (リックショー) といいます。エンジン付は auto rickshaw といったりしますが、この rickshaw は日本語の人力車の『力車』が語源です。

 

*《英》イギリス英語、《米》アメリカ英語

 

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コロッケとメンチカツにだまされた

 この間、スーパーの惣菜コーナーにメンチコロッケというのがあり、ひき肉を揚げてあることを想像して買って家に帰りました。食べてみるとジャガイモを主体に、ミンチにした肉が普通のイモのコロッケより少し多めに入っているだけで、ガッカリしました。

 

 日本ではイモが入っているとコロッケといいますが、ミンチが入っているとメンチカツまたはメンチになります。でも、カニクリームが入っているとカニクリームコロッケというし、カボチャならカボチャコロッケ、と呼ばれるので、メンチコロッケといえばミンチの揚げ物だと思うのは普通だと思うのですが私だけでしょうか。

 

 一般的にはコロッケはイモが入っているものを意味するようで、メンチコロッケとは全くまぎわらしい名前です。そもそも元となった croquette にはイモ料理という意味はなく、これもある意味、和製英語 (仏語) ですね。日本では、基本的なパターンとして、芋や穀物系はコロッケ、肉系はカツ (トンカツ、チキンカツ、ハムカツ)、魚介系はフライ (イカフライ、アジフライ、エビフライ、カキフライ) といった感じで、croquette、cutlet、fries、が日本の独自解釈で進化した言葉ですね。

 

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