英語のアンテナ

英語過敏な私のお話し

映画の続編の英語

 映画の賞の行方が注目を浴びる時期になりました。近年のハリウッドの傾向は CGI などに多額の製作費をかけたものが多く、ヒットの安全策としてのシリーズ物が多く作られています。特によく目にするようになった映画の種類にお馴染みの prequel があります。主人公が死んでしまったり、目標に到達してしまってこれ以上続編が作れない時に、その主人公の生い立ちなどを遡って語るストーリーが prequel です。主人公のその後のストーリーを描く続編、sequel に「前の」という意味の pre- を足して作られた言葉です。また古い作品を仕切り直しをして作る reboot というものもありますね。

 

 以前は主人公が引き続き活躍する続編、sequel が主流でしたが、過去にはゴッドファーザー Part II のように、亡くなったキャラクターの過去の prequel と現在の主人公の sequel とを並行して見せるという賢い作りもありました。ちなみに続編がアカデミー作品賞を取ったのは2作品しかありません。ゴッドファーザー Part II (The Godfather Part II) と ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還 (Lord of the Rings: Return of the King) です。

アカデミー賞

 このゴッドファーザーのように一つのテーマやファミリーを3本の映画でセットとして作られるような時に使われる「三部作」は3を表す tri- を使って trilogy と呼ばれます。では、マトリックス (Matrix/ メイトリックス) は四作あるので何というかというと、tetralogy となります。これ以上は series となるようで、series は幾つもエピソードが作られるもので、007 のようなものが良い例でしょうか。

 

 TVドラマに多い、話がつながっている連続ものは a serial です。このようなストーリーが連続になったものを表す形容詞は serialized といいますが、逆に一話完結のシリーズものは episodic と言います。そんなドラマでもシリーズ全体を通して主人公が関わる大きなストーリーがある場合があります。これは story arc と呼びます。例えば、刑事が一話毎に事件を解決するのは episode ですが、そのシリーズ全体を通してその刑事が失踪した息子の手掛りを探しているといったときに、息子探しのストーリーが story arc です。

 

 作品の中の脇役があまりにも人気があるので、そのキャラクターを使って新しい独自の作品が作られるのがお馴染み spinoff です。スターウォーズのハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー (Solo: A Star Wars Story) が独自の映画になったのはこれですね。あるドラマのキャラクターが全く別ドラマのエピソードに登場したりすることを crossover と呼ばれます。今ではマーベルの映画のように、 crossover というよりも、独立した stand-alone の作品群を、初めからミックスするつもりで時間をかけて一つの世界を構築して行く、cinematic universe があったり、MonsterVerse や Spider-Verse のように 〜verse と呼ぶのが流行っていますね。

 

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