スマートフォンおかげで写真がより身近になりました。写真を見せ合って「このツーショットは羨ましいな」とか、「ツーショット撮らせて」と言うような時の「ツーショット」ですが、この使い方は和製英語です。英語で「ツーショット撮ろうよ」と言っても、”Two shots?” (2枚撮るの?) と言われるのがオチです。
日常の英語の会話の中で使うなら
May I take a picture with you?
みたいな言い方ができます。
二人の人物が写った写真を説明するなら
a photo of two people
恋人同士の写真と言いたいなら
a photo of a couple と言えます。
恋人じゃないけど、ある女の子と「二人だけで撮った」と男の子が自慢するなら、
an exclusive photo with her
といったところでしょうか。
とは言っても two-shot が英語に無い訳ではなく、これは映画撮影で使われる専門用語です。

日本語の国語辞典でツーショットを調べてみると
1)男優と女優が2人でいる場面
2)男女2人で写っている写真
(1) の定義は合っているようですが、映画制作の two-shot は男優、女優のペアに限定しません。(2) の定義がよく使われる和製英語の使い方ですね。
two-shot は映画を撮影する際に構図として監督が「じゃあ次は a two-shot で」みたいな撮影技術の用語です。そんな業界用語で話されても映画関係者以外には分からないでしょう。
似たような用法に、three-shot があります。3人の役者がフレームに入っていることです。じゃあ、役者が 1人なら one shot だろうと思うとこれが違います。一人しかフレームに入っていないのは single shot です。one shot は映像をカットせずに長回しで撮る撮影手法です。ヒッチコック監督の Rope (ロープ/1948年) はその one shot だけで全編を観せるという実験的映画でした。ただ、ヒッチコック監督本人も言っているように、映画の醍醐味のモンタージュ理論が生かせず、両手を縛られた状態で作られた映画のような印象でした (でも楽しめる映画です)。
他にも、話が展開する場所を説明するために使う establishing shot 。 人を腰あたりから撮る medium shot や、お馴染みの close up など、映画ではストーリーと登場人物の感情を表現するためにいろいろな撮影テクニックが使われています。