オリンピックの TV 中継でスケートボードのゆるい解説が好意的に受け止められていたようですね。東京大会に比べ、フランス大会での解説はそのゆるさを少し抑えていたように思います。東京大会では「オーマイガー!」と連呼していました。この「オーマイガー!」や「オーマイゴッド!」ですが、英語圏の放送でこのフレーズの連呼はありえないですね。特にアメリカはこのフレーズを気にします。直訳では「おお神よ」といったところですが、God は教会で祈る時などに口にする言葉で、みだりに使うことを快く思わない人達が多くいます。アメリカには敬虔な信者など様々なバックグラウンドの人がいるので、ケーブル TV やストリーミングなどの閉じられた放送では少し緩やかですが、多くの人が見る通常のテレビでは、不快感を覚える人に配慮して God の単語は控えますね。
日本では、大ヒット・シリーズの「インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説 / Indiana Jones and the Temple of Doom (1984)」が公開されたあたりから「オーマイゴッド!」を TV などで聞くようになったと記憶しています。映画の中でケイト・キャプショーが演じる Willie が困難に直面するたびに何度も “Oh, my God!” と叫んでいました。あまりお行儀がよくないですが、映画の登場人物のこういった言葉の使い方で、そのキャラクターを表しているのだと思います。まあ、トロッコで爆走したり、吊り橋から落ちそうになったりと、Oh, my God! に相当する状況に何度も遭遇していたので発言も妥当ではありますが。あまりにも何度も叫ぶので、日本でもすっかり有名なフレーズになり、そのせいか TV で芸能人が面白半分に真似しているのをよく聞きました。
このフレーズはネイティブぽくってカッコいいということで、解説に使う人はストリートカルチャーが自由でクールなものだとアピールしたいのかもしれませんね。そもそも日本では神様は所構わず色んなところで出てきます。例えば、よく出来たアプリケーションを「神アプリ」と呼んだり、ある行動に対して「対応が神だよ」などと。そんなので神になれるんだって感じですが、「神」が普通の会話でポンポン出てきます。そういう神に対して目くじらを立てずカジュアルなところが、お盆がありクリスマスがある、日本の宗教に対する大らかさの現れなのかも知れません。八百万の神がいる (polytheism) 日本では神は畏れるよりも、もっと身近な存在なのでしょう。
Oh, my God. と言うのがはばかられるときに、英語では God の部分を goodness や gosh に変えて使ったりします。これは God を遠回しに言う婉曲表現です。Oh, my goodness. (オーマイグッドネス) であれば普通に会話で使えます。Oh, my gosh. (オーマイガッシュ) は個人やグループによって違うと思いますが、比較的若い人が使うといった感じでしょうか。 ということで、God のほうは、場所と相手によっては問題ありませんが、使用できる状況かどうか自信がないときは、自ら使うことは控えた方が良いと思います。