休暇にアメリカに行く人は多いと思います。アメリカ旅行で混乱する身近なものの一つは気温ではないでしょうか。ホテルを出るときに何を着てゆくかを判断するのにその日の予想気温は役立ちますが、テレビや新聞の天気予報を見ると「今日は最高気温が100度です。」となっていたりして、「どんなに暑いんだ?」と混乱します。英語を使うイギリスや、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランド、カナダでは、気温の単位は Celsius (セルスィアス/摂氏) を使っています。それとは違い Fahrenheit (ファーレンハイト/華氏) を使うのはアメリカ合衆国です。
多くの国で使われる摂氏では、氷点 (freezing point) を 0度、沸点 (boiling point) を 100度としていますが、アメリカ合衆国で使われる華氏は異なる基準が使われ、氷点の値も沸点の値も違えば、1度の間隔も違うので、摂氏とは一対一では置き換えられません。華氏から摂氏へ換算するための数式もありますが、温度表示を見て計算機でいちいち計算するのは大変です。
こんな時のために、生活に関わるような低温と高温の目安を覚えておくと便利です。まず大体、華氏の 30°F から100°F の間が日本の都市で通常経験する気温の幅として目安になるでしょう。冬の天気予報を見て、30 degrees Fahrenheit (30°F) となっていた場合、日本の摂氏にすると -1°C です。 日本のメジャーな都市でも -1 度くらいは冬場によく記録されるので想像しやすく、32°F が 0°C と覚えるより覚えやすいかなと思います。そして100°F は猛暑日をちょっと超えた、約 38°C です。100°Fとなったら熱中症などに注意となります。
華氏 (US) | 摂氏 |
---|---|
100 °F | 38 °C |
82 °F | 28 °C |
61 °F | 16 °C |
30 °F | -1 °C |
これで何とか気温の感じがつかめます。しかし、これだけだと冬か夏しか参考になりません。そこで、この他に便利な温度があります。ちょっと肌寒いかなという 16°C ですが、華氏だと 61°F となります。そうです、16 の左右の数字を入れ替えると 61 になるんです。また、クールビズで室温の設定の目安と推奨されている 28°C ですが、これも左右の数字を入れ替えて 82°F です。どうです、覚えやすくありませんか。これで、最高気温と最低気温あたりと、そしてその間の気温が押さえられて、アメリカで天気予報を見ても、ざくっりと気温の感覚はつかめるのではないでしょうか。
ついでに 61°F と 82°F の間の 71〜72°F あたりは、過ごしやすい 22°C くらいです。そこで 61°F と 82°F を覚えていれば、真ん中あたりが人にとって快適な気温になると想像できます。アメリカ旅行でお出掛け前の天気予報チェックや、アメリカ人に日本の気温を伝える際に役立ててみて下さい。